○甲良町まちづくり条例

平成15年3月26日

条例第7号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 まちづくりの基本原則(第3条~第5条)

第3章 町民の権利と責務(第6条~第10条)

第4章 町と議会の役割と責務(第11条~第16条)

第5章 参画と協働(第17条~第22条)

第6章 地域自治(第23条~第31条)

第7章 行政の任務(第32条~第39条)

第8章 連携と協力(第40条~第43条)

第9章 雑則(第44条)

付則

前 文

私たちが暮らす甲良町は犬上川の水の恩恵を受け続ける、古くからひらけた農村です。

先人たちは長い歴史とともにはぐくまれた豊かな農村環境や地域文化により、「自治の力」を培ってきました。

これらは現代に暮らす私たちにとって、かけがえのない財産であり、農村集落を基礎単位とする住民主体のまちづくりの基礎となっています。

また、私たちは、部落差別という人権問題に直面する中から、この町に暮らすあらゆる町民がお互いを認め合うことの大切さを学んできました。

この経験も私たちの貴重な財産であり、人権尊重のまちづくりを推進する力となっています。

住民こそ主役のまちづくりを実践する『せせらぎ遊園のまち甲良』は、私たち一人ひとりの努力の積み重ねの成果であり、私たちの誇りです。

そして、私たちには、住民が自ら汗を流しつくり上げてきたこのまちを次の世代のために健全かつ持続的に発展させなければならない責務があります。

そのためには、地方自治の本旨により、私たち一人ひとりが、自らの手でそして自らの責任でまちづくりに参画し、力を合わせて行動しなければなりません。

このような認識の下に、私たちは、お互いが学習活動を重ねつつ、まちづくりの基本理念や情報を共有し、住民自治によるまちづくりを将来に向けてさらに確実なものとするため、まちづくりの基本原理としてこの条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、甲良町のまちづくりに関する基本的な事項を定めると共に、町民の権利と責任を明らかにし、町民自らがまちづくりに参画し、考え、行動することによって、地域自治の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号の定めるところによる。

(1) せせらぎ遊園のまち甲良 住民主体と人権尊重を2本柱に、地域の歴史や文化、生態系を重視して地域環境整備に取り組んでいる甲良町のまちづくりの総称。

(2) 町民 町内に住所を有するものをいう。

(3) むらづくり 当該自治会区域内での活動をいう。

(4) まちづくり 当該自治会区域を越えた活動をいう。

(5) 地域自治 地方自治の本旨である住民自治を成熟させるため、自治の単位を自治会および学区とし、地域における自立した活動主体による自治をいう。

(6) 地域学習 住民と行政が、専門家などの第三者の助力も得ながら、地域の資質や可能性について理解を深める行為、およびまちづくりの質を高めるための知識習得や有効な情報を収集する行為をいう。

(7) まちづくり活動団体 まちづくりに資する公益的社会活動を行う非営利団体をいう。

第2章 まちづくりの基本原則

(町民主体の原則)

第3条 町民は、「まちづくりの主体は町民である」との住民自治の原点にたち、町民一人ひとりの自律、多様なまちづくり主体の形成を支持し、町民の主体的な参画に基づく住民自治を行う。

(地域学習の原則)

第4条 町民および町は、共に地域学習を重ねながら、まちづくりに関する情報を共有活用し、地域学習の成果に基づきまちづくりの意思決定を行う。

(互助協働の原則)

第5条 町民同士、町民および町は、相互理解のもとに、互いにそれぞれの立場を尊重し、助け合いながら、協働してまちづくりを進める。

第3章 町民の権利と責務

(まちづくりに参加する権利)

第6条 町民は、まちづくりの主体であり、まちづくりに参加する権利を有する。

2 町民は、法の下にあって平等であり、人種、信条、性別、社会的身分または門地により差別されず、まちづくりに参加する権利を有する。

3 町民は、まちづくりに関して自由に発言し、行動することができ、まちづくりに参加しないことを理由に不利益を受けない。

4 町民によるまちづくりの活動は、自主性および自立性が尊重され、町の不当な関与を受けない。

5 満20歳未満の青少年および子どもは、それぞれの年齢にふさわしいまちづくりに参加する権利を有する。

6 町内に勤務、通学する者は、町民と共にまちづくりに参加する権利を有する。

(学ぶ権利)

第7条 町民は、まちづくりに関し、自ら考え行動するために必要な情報や考え方を学習する機会を得る権利を有する。

2 町民は、行政活動について必要な情報の提供を受け、自ら取得する権利を有する。

(人権の尊重)

第8条 町民は、まちづくりの主体であることを自覚し、相互に基本的人権を尊重するまちづくりに努めなければならない。

2 町民によるまちづくりの活動は、差別を温存したり助長したりするものであってはならない。

(社会への参加)

第9条 町民は、地域のまちづくりにおいて、合意形成された様々な活動に積極的にかかわり、社会参加を通して豊かな人間関係の形成に努めなければならない。

(権利の行使)

第10条 町民は、まちづくりにあたって、社会的または経済的環境の違いにより、あらゆる町民が、それぞれに異なる考え方を有していることをよく理解するとともに、自らの発言と行動に責任をもたなければならない。

2 町民は、まちづくりにあたって、常に町民全体の公共の福祉、次の世代への責務を自覚しなければならない。

第4章 町と議会の役割と責務

(町長の責務)

第11条 町長は、町民の信託に応えて、公正かつ誠実に職務に当たるとともに、この条例に基づいたまちづくりの推進に努めなければならない。

2 町長は、町職員のまちづくりに必要な能力開発に努めなければならない。

(議会の役割と責務)

第12条 議会は、住民自治の役割を認識して、町民の意思が町政に反映されることを念頭において活動しなければならない。

2 議員は、町民の代表であることを自覚して、地域学習を行うとともに、町民との十分な意見交換に努めなければならない。

第13条 議会は、行政活動が常に民主的かつ効率的に行われ、町の政策水準の向上および行政運営の円滑化について調査・監視に努めなければならない。

第14条 議会は、議会活動に関する情報を町民に分かりやすく説明する責任を有するとともに、情報公開請求に関しては誠実に応えるよう努めなければならない。

(町職員の責務)

第15条 町職員は、誠実かつ効率的に職務を遂行するとともに、まちづくりを推進する上での重要な構成員であることを自覚して、町民との信頼関係づくりに努め、まちづくりの支援をしなければならない。

第16条 町職員は、まちづくりに必要な能力開発と自己啓発に努めなければならない。

第5章 参画と協働

(参画の権利)

第17条 町民は、地方自治法に基づく基本構想およびこれを具体化するための計画ならびにまちづくりに関するその他の計画(以下「諸計画」という。)の策定、実施および評価の各段階に参画する権利を有する。

(諸計画の策定段階での参画)

第18条 町は、諸計画をこの条例に基づき策定しなければならない。また、新たな課題に対応できるように不断の検討を加えなければならない。

2 町は、前項の諸計画の策定にあたっては、町民の参画を得て、町民の意見を反映できるよう努めなければならない。

(諸計画の実施、評価段階での協働)

第19条 町は、諸計画の実施、評価にあたっては、実現に向けた方策を立案し、町民の参画と協働のもとで実行されるように努めなければならない。

2 前項に規定する町民の参画と協働の実行方法等については、別に定めるものとする。

(審議会等の委員の公募)

第20条 町は、審議会、審査会、調査会その他の付属機関およびこれに類するもの(以下「審議会等」という。)の委員には、公募の委員を加えるように努めなければならない。

(地域学習の推進)

第21条 町は、町民に地域学習の機会を確保することによって、町民の自律的なまちづくりを支援し、その社会参加の促進に努めなければならない。

(まちづくり活動への支援)

第22条 町は、町民の自発的かつ自律的なまちづくりと協働するために、まちづくり活動を行う団体(以下「まちづくり活動団体」という。)に必要な支援を行うことができる。

第6章 地域自治

(地域自治の充実)

第23条 町民および町は、地域単位の住民活動組織による地域自治の役割を認識し、これを将来に向けて守り、育てるように努めなければならない。

(地域単位)

第24条 この条例において地域単位とは、次の各号に定めるところによる。

(1) 自治会 集落を単位とした地域をいう。

(2) 学区 小学校区を単位とした地域をいう。

(集落計画の作成)

第25条 自治会は、諸計画との関係を考慮しつつ、おおむね5年ごとに当該自治会のむらづくりの課題を調査審議し、集落計画書を作成するものとする。

(地域単位の住民活動組織)

第26条 自治会は、当該自治会の発展のために、むらづくり委員会(以下「委員会」という。)を設置することができる。

(委員会の組織)

第27条 委員会は、当該自治会の住民から民主的な方法で選出され、自治会長に委嘱された者により組織する団体で、当該自治会の住民に認知されたものをいう。

(委員会の役割)

第28条 委員会は、当該自治会の補助機関として、まちづくり活動を促進し、地域自治の発展と公益の増進に寄与しなければならない。

(甲良町まちづくり協議会)

第29条 町に、地域自治を向上させるための自治会長と委員会の代表者によって組織する「甲良町まちづくり協議会」(以下「協議会」という。)を設置する。

2 協議会は、第25条で作成された集落計画書の中で、自治会の区域を越える課題について町に提案し、調整を求めることができる。

3 まちづくり活動団体は、協議会に参画することができる。

4 協議会が必要と認めたときは、学区を単位に研究会を設置することができる。

5 協議会に関する事項は、企画所管課が担当する。

(町の支援体制)

第30条 町は、地域自治の観点から、集落計画書を尊重しなければならない。

2 町は、必要に応じて、自治会および委員会の活動を支援するための支援体制を講じなければならない。

3 町長は、まちづくりの人材育成に必要な研修会等を開催するとともに、まちづくりに必要な知識を有する者を自治会および委員会ならびに協議会に要請に応じて派遣することができる。

4 町長は、自治会が独自に企画・実施する自治基盤づくりに対して、必要な経費を自治会に交付することができる。交付方法については別に定める。

5 前項の交付額は、毎年度予算で定める額の範囲内とする。

(活動への協力)

第31条 町民は、集落計画書に基づき自治会および委員会が行う諸活動に対して、可能な範囲で協力し、活動の円滑な実施に努めなければならない。

第7章 行政の任務

(効率的な組織編成)

第32条 町は、町民のまちづくりに対する要望に迅速かつ的確に対応でき、行政各分野にまたがる課題等に柔軟かつ総合的に対応できる効率的な組織編成に努めなければならない。

(説明責任)

第33条 町は、行政活動の内容および意思決定の過程について、その必要性または妥当性を説明する責任を果たさなくてはならない。

2 町は、まちづくりに関する制度、施策および情報について町民から説明の要請を受けたときには、わかりやすく、誠実に応答するように努めなければならない。

(情報の公開と提供)

第34条 町は、町に関する情報およびまちづくりに関する有益な情報について、町民に理解されるよう、情報公開および情報提供のための必要な措置を積極的に講じなければならない。

2 町は、情報の提供にあたっては、町民に分かりやすい方法を工夫しなければならない。

(個人情報の保護)

第35条 町は、個人情報の保護について必要な措置を講じなければならない。

(行政評価)

第36条 町は、甲良町のまちづくりが将来に向けてより効率的、効果的かつ創造的に発展していくよう、外部評価も含めた行政評価制度の導入に努めなければならない。

(健全な財政運営)

第37条 町は、諸計画や政策評価と連動した財政の仕組みを確立しなければならない。

2 町は、中長期的な財政計画の下で、健全な財政運営を図らなければならない。

3 町は、毎年度の予算編成から決算認定まで、町民に分かりやすい方法で公表することに努めなければならない。

(行政手続)

第38条 町の機関が行う処分および行政指導ならびに町に対する届出に関する手続については、甲良町行政手続条例(平成8年条例第18号)によるものとする。

(住民投票)

第39条 町は、町民の暮らしにかかわる重要事項について、直接町民の意思を確認するために、住民投票の制度を設けることができる。

2 前項で規定する住民投票の実施については、別途定める。

第8章 連携と協力

(活動団体の連携)

第40条 自治会、委員会等の地域組織や町内で活動するまちづくり活動団体は、必要に応じて互いに連携、協力し、互いの活動支援に努めなければならない。

(学識者および専門家との連携)

第41条 町民および町は、学識者や専門家との連携を深め、地域学習の推進に努め、その知識や意見をまちづくりに活用することができる。

(町外の人々との交流)

第42条 町民および町は、町外の人々にも情報を発信しながら交流を深め、その知恵や意見をまちづくりに活用することができる。

(他の自治体等との連携・協力)

第43条 町民および町は、まちづくりにあたって、他の自治体、国およびその他の機関との広域的な連携・協力に努めるものとする。

第9章 雑則

(委任)

第44条 この条例の施行について必要な事項は、別に定める。

付 則

この条例は、平成15年4月1日から施行する。

甲良町まちづくり条例

平成15年3月26日 条例第7号

(平成15年4月1日施行)

体系情報
第1編 規/第1章 町制施行
沿革情報
平成15年3月26日 条例第7号